恋と愛

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恋と愛

会社を出た私と副社長は、野依グループが経営している高級ホテルのスイートルームに来た。 人生初めてのスイートルームに動揺しながら…ゆっくりと部屋に入る。 「……」 広すぎる部屋。 私が住んでいるアパートよりも、広い…。 「藤堂さん、緊張しないで」 そっと肩を抱き寄せ、ベッドの上に座らされる。 その隣に副社長も座り、私が着ていたカーディガンを脱がせた。 「あ、待って下さい」 「どうしたの」 「その…シャワーを…」 「…いいよ、必要ない」 私が必要なんですけど…! そう言おうとするも、副社長に口を塞がれ言葉が出てこない。 キスをしながらブラウスに手を掛け、1つずつボタンを外していく。 頬を紅く染めて微笑んでいる副社長…。 その表情に、心臓が飛び跳ねた。 「藤堂さん、勘違いしないで欲しいから伝えておくけど。歴代秘書さんに対して抱きたいって思ったことないし、実際そうしたこともない。…なんなら、こういう行為をするのは5、6年ぶりなんだ。…だから、不手際があっても…許して下さい」 小さく頭を下げ、またキスをする。 止まないキスの雨をあちこちで受け止めながら、副社長に身を任せた。 「……どうしよう、緊張してる…。かっこ悪いな…」 「副社長…」 さらに紅くなった副社長の頬。 色気が強すぎて、思わず目眩がする。 「素敵です、副社長」 「……副社長って呼ぶの、止めようか…」 「の…野依さ…」 「違う、直哉」 そう言ってまた、激しく唇を重ねた。
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