恋と愛

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「恋愛はしないと、密かに決めていたんだ」 「…」 服を着ずに2人ベッドの中で向き合い、囁くように会話をする。 そんな幸せな時間に、心からの安心感を覚える。 「これまでの彼女は財産目当てばかりだった。だから、恋愛に対して少し嫌気がしていた」 「……」 「久しぶりだよ、恋をしたの。茉佑が俺に恋愛を思い出させてくれた」 「私、何もしていません…」 「俺を惚れさせてくれた。それが全てだよ」 そう言って優しくキスをした。 「しかし、茉佑にまとわりつく彼…どうしようかね」 「……緋山さんですか」 「そう」 明日以降、緋山さんがどう出てくるかなんて…本人にしか分からない。 もし態度が変わらなかったら…? 私はどうすれば良いのだろう。 「かつて、彼に惚れられるようなことをしたの?」 「え、全く身に覚えがありません。入社時期も部署も違いますから」 「うーん……だとしたら何故なんだろうね」 「分かりません」 本当に何でだろう。 悩みながら黙り込むと、そっと抱き締められた。 「まぁ、彼が何を言おうと…もう茉佑は俺のだから。仕事でも私生活でも、手放すつもりは無いから関係無いけど」 優しく啄むようなキスの雨が降り注ぐ。 副社長から全力の愛を全身に受け、ずっと彼を傍で支えようと心に誓った。
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