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ごみ捨て場を後にして、本社内に戻る。 その道中、緋山さんはずっと私の後を付いてきていた。 「…何で付いてくるのですか」 「総務部に戻るルートでもありますから」 変わらずニコニコとしているのが少し気持ち悪くて落ち着かない。 「……緋山さんは、どうして私に付きまとうのですか」 ずっと気になってきたこと。 これを機に、聞いてみようと思った。 緋山さんは少し驚いた表情をした後にまた微笑む。 「付きまとうなんて、人聞きの悪いこと言わないで下さい。アプローチです」 「……」 その返答に、何も言えなくて。 「何か返事をして下さいよ~」 「…………」 自分から聞いておきながら、無言を貫いた。
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