生きるのは命懸け

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「レオン……です……。……になりました」  遠くから、僕を呼ぶ声が聞こえる。ああ、ローランの声か。どうやら夜になったらしい。あくびをしつつも、ベッドから起き上がる。もう少し寝ていたかったが、贅沢は言えない。 「ローラン、そういえばどうやって浮遊クラゲを見つけるんだい? 向こうからやって来るのを待つのは時間の無駄だろう?」 「それは大丈夫です。前回遭遇した時に、発光組織を分析しています。ニコラが空に索敵ドローンを打ち上げて、動く発光組織を見つければすみます」  なんと、あの危機的な状況下で僕を守りつつも、浮遊クラゲの特徴を分析していたとは。さすがとしか言いようがない。  僕とニコラが外に出ると、夜独特の寒さが襲って来る。まあ、ニコラにとっては関係のないことだけど。 「ニコラ、早速索敵ドローンを打ち上げて。さっさと終わらせよう」 「かしこまりました。索敵ドローンを射出しますので、離れてください」  シュッという音と共にニコラの腕からドローンが飛び出る。それは楕円形でニコラの体と同じく黒色。大きさは僕の握り拳くらいだろう。実戦で使うのは初めて見たので、少しワクワクする。これから浮遊クラゲとの戦闘が始まることを考えても。 「索敵完了。300メートル東に発光物体を確認。こちらの熱源を探知したのか、徐々に向かって来ます。浮遊クラゲは二匹いる模様です」 「二匹!? 一匹でも手こずったのに……」 「ご安心ください。今回は私がいますから」とニコラ。  確かにニコラがいるが、あくまでも防御特化だ。電気銃による攻撃は僕が担当しなければならない。VRでシュミレーションしたのがどこまで実戦で通用するかが試される。
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