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「危機一髪だったね」
「ええ」とニコラ。
「お二人とも無事で何よりです。帰りがあまりにも遅いので、心配していました。それで、成果は?」
「多分、宇宙船を直せるんじゃないかな。ローラン、赤道に向けて船を進めてくれ。赤道に着いたら、修理して宇宙へ戻ろう」
「了解です。ああ、そうでした。お二人が海中へ行っている間に、簡単な衛星を飛ばしました。取得した映像がこちらになります」
スクリーンに映されたのは墜落した飛行機に座礁した船。そうか、飛行機は急に着陸地点を失って、着陸に失敗したに違いない。船は座礁が致命的でなくても、非常食が尽きて餓死したに違いない。どちらにせよ、生存者は期待できない。
「ありがとう、もう消してくれ」
この広大な土地でたった一人である事実を改めて突きつけられた。
「赤道に着いたら起こしてよ。一眠りするから」
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