小さな一歩

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「信号の内容が分かりました。友好的なメッセージです。『初めまして。我々はガルダ星人という。我々と同じ境遇にある地球を救いにやって来た』とのことです」 「我々と同じ境遇か。何を指してそう言ってるか分からないけれど、ひとまず面会しよう。念の為パワードスーツを着て、ニコラも同席だ。怪しい素振りを見せたら、即攻撃していい」  僕はパワードスーツを着込み、ニコラと共に船のエアロックを通過する。外には、丸みを帯びた金属製のドームがあり、その表面には精緻な模様が彫られていた。ドームがゆっくりと開き、中から背の高い、青白い光を放つ生命体が現れる。 「こんにちは。私はガルダ星のエムリー。あなたがた地球の危機を知り、支援に来ました」  僕は一瞬の驚きとともに警戒心を抱きつつも、エムリーに向かって一歩前進した。 「こんにちは、エムリー。僕たちはレオンとニコラだ。まずは君たちの意図を聞かせてほしい」  エムリーはゆっくりと手を広げ、透明なスクリーンを投影した。そこには、緑豊かなガルダ星が映し出されていたが、次の瞬間、壊滅的な被害を受けるシーンが続く。 「我々もかつて、あなた方と同じように、他の異星人の実験で母星を失いました。しかし、その後、私たちはその失われた緑を取り戻す方法を見つけました。地球も同様に再生可能です」  僕は頷きながら、続けて尋ねた。 「具体的に、どうやって緑を取り戻すつもりなんだ?」  エムリーはさらにスクリーンを操作し、塩分に強い植物の成長プロセスを示した。 「地球の現在の陸地はもともと海底だったため、塩分が多く、植物が育ちにくい。しかし、私たちの研究によれば、塩分に強い品種を育てることで、緑豊かな環境を再生できるのです」
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