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「黒木? 今月号で、うちが浜中商事のそのバニラアイスどら焼きを特集してから、店舗には、連日のように雑誌で特集されたバニラアイスどら焼きありますかって、問い合わせや、どら焼きを求めてやってくる客への対応で、店舗の営業にも支障が出始めているって」
「えっと……」
堂城の天使の笑顔に、胡桃が耐えれず真実を口に出しそうになろうとした瞬間、
「堂城副編集長! 黒木は、何も悪くありません! 悪いは私なんです」
「咲ちゃん!」
いきなり、胡桃と堂城の間に、渋谷咲が割って入る。
「渋谷! どういう事だ」
「私が、浜中商事の製造工場の工場長さんに、浜中社長を通さずに直接頼み込んで、今月号の「晴海」で、販売前の「バニラアイスどら焼き」を特集させて貰ったんです。本当にすみませんでした」
咲の言葉に、堂城は怒りを通り越して、無言になる。
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