素直になれない死神先輩

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 目の前で、繰り広げられた「惨劇?」に堂城は、思わず百花の名前を呼び掛ける。  その呼びかけに、百花は思わずはぁっと我に返る。 「あぁぁあの堂城先輩? このその……」  あろうことか、一番見られたくない相手=堂城先輩に、一番見られたくない裏の顔、それも、思いっきり人を殴る所を。 「……相変わらず、お前ら仲が良いなぁ」 「へ?」  堂城からの予想外の言葉に、百花は「へ?」と返事を返す。 「だけど、百花、もう少し手加減してやらないと、水川が可哀想だぞ! それに、こいつ一応、お前の上司なんだから」 「あぁはい! そうなんですねぇ?!」  これからは気を付けますと、水川に手を差し出す百花。  その手を掴み、立ち上がる水川。 「いたたたた」 「大丈夫か? 水川。お前は、もう少し体力つけた方がいいぞ! 筋肉落ちたんじゃないのか?」  水川に声を掛けながら、皮肉な言葉を掛ける。 「落ちてねぇよ! それより! 市宮お前なにしやがる!」  百花に襲い掛か…… 「はい! そこまで!」  堂城が寸前のところで、水川の腕を掴む。 「梨々花に振られたからって、後輩に手を出すんじゃなねぇよ! それに、先のはどう考えてもお前が悪い! それと、百花! お前も、親しき中にも礼儀ありだぞ!」  水川だけ、怒れず、百花の事も怒る堂城。 「……水川編集長すみませんでした」  堂城の言葉に、頭を下げる百花。 「俺も、傷つけるようなこと言って悪かった。すまん」 「はい! これで、もう仲直り。じゃあ、俺は、戻るから」  と屋上から出て行こうとした堂城の腕を百花が掴む。、 「ちょっと待って下さい! 堂城先輩! 私達に、なにか隠してますよね?」 「なにも隠してないけど?」 「嘘! 堂城先輩! 明らかに私達に、なにか隠してますよねぇ? それに、先輩? 言ってましたよね? 俺がここから飛び降りたらって?」 「!」  まさか、訊かれてた? いやいや? 百花が来たのは、あのセリフを言ってから少し時間が経ってから! 「いう訳ないだろう! 俺がそんなセリフ。お前の訊き間違えじゃあないのか?」  堂城は、顔の表情を変えない様に、必死に繕いながら、返事を返す。 「いえ! 確かに先輩は言ってました! ここから飛び降りたらって! それに、ここに来る途中、同期の小泉さんと会って訊いたんですけど、堂城先輩? 発売中の雑誌で掲載トラブルが起きたらしいですね? それも、掲載されている商品、存在しないんですよね?」 「……」  答えることが出来ない 「堂城!」 「お前たちは関係ない! 百花も晴海の問題に口を挟むなぁ!」  百花を突き放す。 「堂城! その言い方はないだろ! 市宮はお前のことを心配して!」 「それが迷惑だって言ってんだよ!」  そう二人に告げると堂城は、屋上から出て行く。 ★
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