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「ふふ」
「先輩? どうしたんですか?」
急に何かを思い出したかのように、笑い出した小泉に、渋谷がどうしたんですか? 食後のカフェオレを飲みながら尋ねてくる。
※約束の時間よりも30分以上、早くついてしまったので先に、昼食を食べる事にした。
「ちょっと昔のことを思い出しただけ? それにしても、若瀬先生遅くない?」
「そういえばそうですね?」
「渋谷ちゃん! いま何時?」
渋谷は、小泉の問いかけに、急きょ、腕時計で、現在の時刻を確認する。
「ちょっと待って下さいねぇ? えっと……13時10分です」
確か、約束の時間、13時でしたよね?
不安な表情を浮かべながら、渋谷は小泉の顔を見る。
一方の小泉も、そんな渋谷の感情を感じ取ったのか、テーブルに置いていたスマホに手に取り、若瀬怜音から連絡がきていないか確認する。
しかし、電話どころか、メッセージすらなにも来ていなかった。
「10分か? まぁ? こっちが先生に、取材をお願いしている身だし、もう少し待ってみようか?」
「そうですね?」
小泉の問いかけに、渋谷も賛同する。
しかし、それから、20分経っても若瀬先生はこなかった。
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