手紙

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 拝啓 堂城誠也先輩様  堂城先輩。お元気ですか?  私は、なんとか元気にやってます。  今更ですが、おふたりの結婚式に参加できずにすみませんでした。  どうしても、昴くんに会いたくなかったんです。  勿論、それはただのいい訳で、本当は、いま昴くんの顔を見てしまうと、折角、消し去った彼への恋心が復活するじゃあないかと不安になってしまったんです。  バカですよね?  自分自身で遥と共に生きる未来を選んだ癖に、心のどこかで昴くんのことが今でも忘れらないなんて。  こんな上面な気持ちの私が、堂城先輩、いやぁ? 昴くんに会える訳ない。  それどころか、こんな私を愛してくれた遥を裏切りたくないんです。  だから、ごめんなさい。  折角の堂城先輩の新しい門出を私の身勝手な理由で祝えなくて。  先輩?   怒ってますか?  でも、先輩なら笑って許してくれますよね?   私達、似た者同士ですもんねぇ?  あぁ! すみません!   私と堂城先輩全く似てませんでしたねぇ??  先輩?   今は、ちゃんと樹利亜さんや犬塚編集長以外にも甘えられてますか?  先輩は、寂しがり屋なんですから甘えないとダメですよ?  それと、黒蝶時代の名残で、先輩のことを今でも「死神」って呼んでる人もいるみたいですけど、私は、寧ろ「黒蝶」時代の先輩に会ってみたかったです。  だって、悠が教えてくれる「黒蝶」の時代の堂城先輩の「武勇伝?」いやぁ? 「死神伝説?」すごいんですよ?  だから、堂城先輩?  先輩は、これからもそのままの強くて優しい先輩のままでいて下さい。  じゃあ? またお手紙書きますねぇ?  あぁ! 忘れる所だった! あれから渚くんとは、連絡つきましたか?                             音無 春                                        敬具
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