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「黒木ちゃん。悪いんだけど、いまから、晴海編集部に行って、棗編集長にコレ渡してきてくれないかな?」
ここみでのインターンを半月が過ぎ、ここみでの仕事にも少しずつ慣れてきた頃、編集長である三野宮巫女編集長から、突然使いを頼まれた。
「解りました。なにを渡せばいいんですか?」
「あぁ……段ボールの中身? えっと……」
突然、言葉に詰まり始める三野宮。
そんな、三野宮の様子に、黒木は、これ以上は触れない方がいいと自分なりい解釈する。
「あぁ棗編集長に、この段ボールを渡せばいいんですよ?」
「あぁうん! よろしくねぇ? 晴海編集部の場所は解る?」
「あぁはい! インターン初日に、皆さんに教えて貰ったので」
晴海を始め他の部署には、先輩と一緒に初日に一通り挨拶しに行っているので、大体の場所は把握している。
但し、独りで行くのは、今回が始めた。
でも、今のこの状況で、やっぱりわかりませんとは、なんだか言い出せなかった。
「そう? じゃあ? ごめんだけど? お願いねぇ? 黒木ちゃん!」
「解りました。じゃあ、行ってきます」
黒木は、段ボール(中身不明)を両手で抱えながらここみをあとにした。
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