夜を噛ム

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大きな町を、人混みに紛れながら歩く。 こうでもしないと、この町は少女を追い出してしまう。 「君、どこから来たの?」 「家どこ?危ないじゃないか、1人で出歩いてちゃ」 聞き飽きるほど聞いた台詞は、全部少女の居場所を奪う言葉。 帰りたくないよ、放っておいてよ。 そんな言葉は届かないのに、どうして向こうの言葉は一方的に押し通されるのだろう。
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