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まるでそんな言葉から逃げるように、ビルの屋上へと潜り込む。
うるさい言葉もやかましい音も届かない、静かな場所。
今日も逃げ込んだはずなのに、様子がいつもと違う。
男がいた。
長身でスラっとした背格好なのに、無精髭とボサボサ頭に煙草までくわえただらしなさそうな姿。
扉が開いた音が聞こえたのか、少し首を動かして少女の方を見た。
「あれぇ?どうしたの君?」
少女は無意識に逃げようとしたが、男の姿に目が吸い寄せられ動けなくなっていた。
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