夜を噛ム

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夜の町、星も黒い闇の中に消え失せる程の賑やかな町。 喧騒に紛れて、女は1人歩く。 その足は迷い無く、1棟のビルへと向かっていた。 カランと口の中で鳴らした、棒付きキャンディー。 カンと足で踏み鳴らした、鉄の階段。 屋上に辿り着いた時、女の目は真っ直ぐそこに居た男に向けられた。 女はニコリと笑い、口の中で遊ばせていたキャンディーを噛み砕く。
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