夜を噛ム

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ふと空を見上げてみた。 ビルに囲まれて狭まった空は、星が殆ど見えない黒に染まっていた。 正面を見てみた。 ネオン輝くビルの群れと、何処から来たのかわからない程の人の粒。 4輪の箱が規則正しく並んでは、大きな音をあげつつ通り抜けていく。 うるさいな、と言わんばかりに唇を噛んだ少女は、黒いフードを深く被りイヤホンを付け直した。
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