吉祥寺

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 熱い息を吐いて、ヒロが俺の耳を囓る。 「ね、月久さんがゴム着けて。 俺保体の授業でしか触ったことないから」  体を離して、買ってきたコンドームの箱を開ける。  ヒロの言葉になんだかいけない興奮を覚えながら、立ち上がったものに薄いゴムを被せ、ローションを垂らして塗りつけるように扱く。 「んっ、……中慣らすの、次は俺にやらせて。 いっぱい、気持ちよくしたい」  ヒロの手が俺の膝の裏を持ち上げ、空いた手で髪を掻き上げた。 「俺、あなたみたいなかっこいい人、 俺の手でとろとろにするの夢だったんだ」  だから、これから気持ちいいところたくさん教えてね、と甘く囁いた。  初めて見たその雄臭い表情だけで、俺は腰が砕ける。  熱い先端が、擦り寄せられた。 「……入れるね」 「あ、待っ……あーっ!」  砕けきった腰に、奥まで一気に押し入られて、俺はそれだけで達してしまった。 「あ、ちょ、すごい、締まる……っ。う」  つられたようにヒロもいってしまって、二人とも、しばらく静かになった。  俺が、堪えきれずに少し笑うと、ヒロは俺の胸に顔を埋めたまま「違うから!」と言った。耳が赤い。 「一人でするときは、こんなに早くないもん……」 「早いから笑ったんじゃない。それなら、俺のが早かったし」  ヒロは顔を上げてくれない。 「俺、こんなすぐいったの初めてで、 ヒロもほとんど一緒にいったの嬉しかったんだ。 なんか、幸せだなって思ったら、笑えた」  のっそりと顔を上げたヒロが、俺にキスをした。  俺が笑うと、今度はヒロもつられたように笑って、俺はそれがすごく幸せで、今度は涙が滲む。  ヒロも泣き笑いの顔をして、俺たちはもう一度キスをした。
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