78人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
熱い息を吐いて、ヒロが俺の耳を囓る。
「ね、月久さんがゴム着けて。
俺保体の授業でしか触ったことないから」
体を離して、買ってきたコンドームの箱を開ける。
ヒロの言葉になんだかいけない興奮を覚えながら、立ち上がったものに薄いゴムを被せ、ローションを垂らして塗りつけるように扱く。
「んっ、……中慣らすの、次は俺にやらせて。
いっぱい、気持ちよくしたい」
ヒロの手が俺の膝の裏を持ち上げ、空いた手で髪を掻き上げた。
「俺、あなたみたいなかっこいい人、
俺の手でとろとろにするの夢だったんだ」
だから、これから気持ちいいところたくさん教えてね、と甘く囁いた。
初めて見たその雄臭い表情だけで、俺は腰が砕ける。
熱い先端が、擦り寄せられた。
「……入れるね」
「あ、待っ……あーっ!」
砕けきった腰に、奥まで一気に押し入られて、俺はそれだけで達してしまった。
「あ、ちょ、すごい、締まる……っ。う」
つられたようにヒロもいってしまって、二人とも、しばらく静かになった。
俺が、堪えきれずに少し笑うと、ヒロは俺の胸に顔を埋めたまま「違うから!」と言った。耳が赤い。
「一人でするときは、こんなに早くないもん……」
「早いから笑ったんじゃない。それなら、俺のが早かったし」
ヒロは顔を上げてくれない。
「俺、こんなすぐいったの初めてで、
ヒロもほとんど一緒にいったの嬉しかったんだ。
なんか、幸せだなって思ったら、笑えた」
のっそりと顔を上げたヒロが、俺にキスをした。
俺が笑うと、今度はヒロもつられたように笑って、俺はそれがすごく幸せで、今度は涙が滲む。
ヒロも泣き笑いの顔をして、俺たちはもう一度キスをした。
最初のコメントを投稿しよう!