knight2:剣となり盾となり

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 頑なに断るリィルをシリウスは少し悲しそうに見つめる。そんな顔をするからリィルもそれ以上強く出れなくなるのだ。ああもう!と心の中で悪態をつくが、それを表には出さないよう努める。とにかく、言いたいことは言えたのだから早く離れるのが一番。そう考えて、リィルはそそくさと逃げようとした。 「……えぇと、それでは私はこの辺で」 「君は私に騎士としての誓いを愚弄しろと、そう言っているのか?」  シリウスの雰囲気が少しピリッとする。リィルは思わず唾を飲んだ。 「ち、違いますっ!決してそんなことはっ」 「ならば、何故私を拒絶する?あの場で君は私の申し出を受けた。私に君を守らせてほしいと」 「うぐっ……でも、それは王都にきた時だけって話でしたよね?」 「そうだな。そして君は今王都にいる。違うかい?」 「……違いません」 「ならば、今から私が君を護衛しても問題はない」 「いや、それはちょっと……」 「何故?」  リィルの言葉にシリウスは少しずつ感情を昂ぶらせていく。周りの人たちも何事かと足を止めて遠巻きに2人を見つめていた。そんな中でリィルは必死に言葉を探すが、うまい言い訳など見つからない。  ーーああもうっ!こうなったら仕方ないっ!!  覚悟を決めたリィルはキッと目の前のシリウスを見つめた。それだけなのに睨んだ風になっただろう。シリウスが少しムッとしたのがわかる。ごめんなさいね、目つきが悪いもんで!とその言葉は飲み込んで、リィルは口を開いた。 「目立つんですよ、あんたといると」 「……なに?」 「だぁかぁらぁっ!あんたみたいに顔面偏差値の高い優秀な騎士が隣にいたら!私まで注目を浴びるんですって!」  リィルは今言いたいことを言ってしまおうと勢いよくシリウスに畳み掛ける。
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