knight3:私の主人

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「おーおー威勢がいいなぁ。だがな、女1人に男3人がかりでどうにかできないわけねぇだろ?」  そう男は言うと、リィルの服をたくしあげ、サラシを見るとニヤリとして撫で始めた。 「あー、こんなことしてまで男になってんの?」 「私は男になったつもりはない!」 「え?こんな見た目なのに?サラシまで巻いて、執事の服きてんのに?笑える」  男達はただただリィルをバカにしていた。言い返したのにリィルは言葉に詰まる。確かに自分の見た目から、似合う方を選択していたのは事実。それは、これ以上傷つきたくないからであり、人にバカにされるためにしているものではない。  リィルは鋭い眼差しを男達に向けた。その顔に一瞬怯むも男達はすぐに笑う。 「おー怖い怖い」 「まあ、今からじっくり教えてやるよ。おまえが女の子なんだってことを、体にさ」  ニヤニヤしながら言う男にリィルは心底嫌そうな顔をして答える。 「……お前らみたいなクソ野郎に誰がやられるか。自分より弱い奴にしかイキがれない雑魚が」 「あ?てめぇ……調子乗んなよ」  その一言で男達はキレた。そしてリィルを殴ろうと拳を振り上げる。これからくる痛みにリィルは瞼をぎゅっと瞑りかまえるが……いつまでもその痛みはこない。 「ーー私の主人に何をしている」  聞こえてきた声にハッとして目を開けると、視界に入る銀髪。 「っ、なんだよおまえ!離せよ!」  殴りかかろうとした男の手を簡単に掴み、リィルを庇うのはーー。 「シリウス、さん」 「君は本当にトラブルに巻き込まれやすいな」  リィルが淡い恋心を抱く、この国1番の優秀な騎士、シリウス。 「何で……ここに?」  シリウスの服装はいつもの騎士姿ではなかった。おおかた非番なのだろう。それなのに、リィルを助けにきてくれた。
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