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「あ、あの!もうそろそろ……」
「ん。そうだな腕はいいが……リィル。以前も気にはなったのだが、その包帯は?一応腫れや痣がないか確認したいんだが」
「え!?いや、その……」
シリウスの言葉にリィルは焦ってしまった。先程スルーされたのにまさか今ツッコマれるとはと冷や汗が出る。これを外せば、いくら小さいといえど胸があるので女性だとバレる。
シリウスに男だと思われてるから、王都限定の騎士だとか、こうしていろいろお世話になれているのだ。異性だとわかれば、たちまち彼は離れるだろう。
貴族の家柄で国一番の優秀な騎士が平民のしかも目つきの悪い自分と一緒にいるなんて……男女が共にいるだけで変な勘ぐりをされるのが貴族社会だ。だから利口ならば、リスクは避ける。
「これはその……怪我ではないです。それに、ここに痛みはないですし。だから……」
「……そうか」
このまま、男と思われたまま過ごすのがお互いのために一番いいんだとリィルは自分に言い聞かせた。シリウスが引いてくれたような気がして、ホット息を吐く。
ーーだから、油断していた。
シリウスにリィルはソファに押し倒される。リィルの視界には天井とシリウスの顔。何が起きた?と呆けてリィルはただシリウスを凝視していた。
「すまない。ここまでしないと君は頑なに診せないからね」
シリウスは真面目な顔でリィルのサラシに手をかけた。するするっと解かれるそれにリィルは目を丸くして焦る。
「やっ、待って!」
「待たない」
リィルの抵抗は虚しく、サラシを取られてしまった。そして晒される自分の体にリィルは羞恥で赤くなる顔を腕で隠す。その反応はまるで生娘のようだった。サラシの下から現れた胸にシリウスは目を見開く。
「これは……」
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