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「〜っあー、はいはい。じゃあ騎士のマナーに限りは触れるのを許可する」
そう言うリィルにシリウスは再びリ手を差し出し座席から降ろした。そしてそのまま手を引きながら屋敷の門の前に行くとリィルに向かって微笑む。
「では、また王都で。来た際には騎士の詰所の方に立ち寄ってくれると嬉しい。君のそばにすぐに仕えることができる」
「なんだよ、私のこと見つけられる自信がないのか?」
「そう言われると心苦しいな。1秒でも長く君といたいから、できるだけ早く近くにいたいんだ」
「っ……それおかしいだろ!近衛騎士団の仕事あるだろ!私だけのそばにいていいわけがない!」
「私は君の騎士だからね。君が行くところならどこにだってついて行くよ」
「〜っああもう!」
リィルはもう面倒くさくなってシリウスを睨みつける。そのまま小さく口を開いた。
「……気が向いたらな……」
その言葉にシリウスは目を見張るが、すぐに微笑んで頷く。
「……わかった。楽しみに待っているよ」
甘く蕩けるような笑み。そんなシリウスの顔にリィルがキュンとしたのはいうまでもなかった。
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