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途端、川瀬の息が止まったのがわかった。
「川瀬?」
沈黙を保ったままの川瀬に目をやると、
川瀬はまっすぐ俺を見つめていて、
ドキッとした。
「なるほど‥‥そういうことか」
呟くように言って、川瀬が微笑んだ。
「葵ちゃんが俺に距離を置いたのは、
宮嶋のせいだったんだな」
「うん」
「宮嶋とはすぐに別れたよ」
「‥‥え」
「嫉妬がすごくて思わず逃げ出したと
言った方がいいかな。それ以来、
誰とも付き合ってない」
「そうだったんだ‥‥」
川瀬の俺の肩に回された手の力が
強まった気がした。
「お前、それを聞いてどう思う?」
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