after the rain〜雨上がりの朝に〜

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「雨、止んだな」 傘を持て余すような仕草をし、 川瀬が振り向いた。 日の出前ということで辺りはまだ暗かった。 錦糸町駅に向かい、並んで歩いた。 「地下鉄で帰るよな」 「うん」 川瀬の手が俺の手に触れ、 指先が絡み、優しく握られた。 それ以上、言葉は必要なかった。 雨は相変わらず嫌いだが、 きっともう、俺の心に雨は降らない。
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