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9月25日、金曜日。
就職して約半年が経つこの日は、
佐橋と付き合い始めた記念の日だった。
雨で濡れそぼる錦糸町の街を
さまよい歩きながら
佐橋からの連絡を待っていたが、
やはりスマホに通知は来ない。
行き着いたバルで
ワインやカクテルを口にし、
終電間際まで過ごした挙句、
そのまま押上の自宅には帰りたくなくて
酔った勢いで電話した。
高校を卒業してから早5年。
それまで連絡さえしていなかった
元クラスメイトは、
果たして俺を覚えているのだろうかと
僅かな不安を抱きながら。
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