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「岸野はその人とどうなりたい?
まだ付き合いたい?」
「わからない‥‥でも、待つのは疲れた」
「諦めるのは簡単だぜ?気持ちはわかるけど」
「うん」
「朝まで一緒にいてやるから、元気出せ。
お前も何か飲むか?」
「さっきバルで飲んだし、ジュースでいい」
「やれやれ。俺にははっきり言えるのに、
恋人には素直に思いを伝えられないんだな」
「そんなものでしょ」
俺が答えると、川瀬は俺の肩から手を離し
テーブルの上のタブレットに触れた。
「葵ちゃん放っておいて、歌いまくるか」
あの頃の呼び方に、胸が疼いた。
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