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「波瑠! 決め台詞! 『月に代わっておしおきよ!』って言うの!」
ミナミが、舞台袖から、波瑠に聞こえるように、囁いた。
波瑠は、慌てて、観客に向かって言った。
「つ、月に代わって、おしおきよ!」
会場は沸き、波瑠は、舞台を下りた。
コスプレ大会は、最後の佳境を迎えた。
キャラクター大使、渋谷課長の出番だ。
会場には、明らかに、渋谷課長目当ての若い女性たちがいた。
それに、記者のような人物もいて、カメラを構えて、渋谷課長の登場を待っていた。
その渋谷課長に、ミナミが言った。
「渋谷課長、さっき教えた、セフィロスのセリフ、覚えました?」
「ああ、もちろんだ」
渋谷課長は、答えて、舞台に向かった。
会場から、爆発的な歓声が上がった。
その歓声を、浴びてから、渋谷課長が、叫んだ。
「この星の全てのエネルギー。この星の全ての知恵、知識、。私は全てと同化する。私が全て、全ては私となる!」
観客から、悲鳴のような声が上がった。
「キャー、セフィロス、カッコいいー!!」
「渋谷さん、素敵ー!!」
そして、、。
全国コスプレ大会は、大盛況の後、幕を閉じたのだった。
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