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渋谷課長は、知事から任命された大役を果たし、クビの話は、一件落着したはずだった。
しかし、、。
今度は、この渋谷課長のコスプレが、話題を呼びすぎてしまったのだ。
週刊誌に載り、テレビのワイドショーにも取り上げられた。
すると、渋谷課長の仕事場である県庁にも、ワイドショーのレポーターが、やって来て、県庁職員に、渋谷課長のことを聞き回るようになってしまった。
「波瑠、、。私は、県庁を退職しようと思う」
渋谷課長が、言い出した時、波瑠は、驚いた。
「えっ? し、渋谷課長、本当に県庁を辞めるんですか?!」
「ああ。これ以上、同僚の職員に迷惑を掛ける訳にはいかない、、」
そ、そんな、、!
波瑠は、動揺した。
「渋谷課長、県庁を辞めてどうするんですか?」
「いや、、まだ、考えてはいないが、これ以上、県庁にはいられない。早く辞めないと、、」
渋谷課長は、真面目で責任感が強い。
波瑠は、そこも好きなのだが、今回は、褒めていられない。
それに、渋谷課長が、悩んだ末の結論だろうから、意思は固いだろう。
波瑠は、不安で仕方なかったが、渋谷課長を信じていた。
渋谷課長なら、きっと、なんとかなる!
「分かりました。あたし、どうなっても、渋谷課長に付いていきますから!」
「波瑠、、ありがとう。早速、明日、知事に退職届けを出して、挨拶してくるよ。知事には、お世話になったから」
翌日。
渋谷課長は、知事室に行き、退職届けを出した。
知事は、驚いて言った。
「渋谷君、今、我が県には、君が必要なんだ。今や、君は、我が県の名物だ。梨、砂丘、そしてイケメン県庁職員・渋谷誠だ!」
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