33人が本棚に入れています
本棚に追加
「話はついたが、君のワイドショー出演とファッション雑誌『COOL』の専属モデルが、条件だ」
「はああっ?!」
渋谷課長は、心の底から叫び声が出た。
「な、な、なんですか?! それ! 前より酷いじゃないですか!」
いつもクールな渋谷課長に似合わず、激しく憤った。
「まあ、落ち着いて聞きたまえ」
憤る渋谷課長に、平川知事は、なだめるように言った。
「ワイドショーの出演と言っても、一回切りだし、専属モデルも一ヶ月間だけの約束だ」
「え?」
「君がワイドショーに出て、インタビューを受ける。そして、君が、今の事情を説明し、以降、無闇に騒がないように視聴者に頼む。それから、『COOL』の方の一ヶ月間モデルをするというのは、たまっている有給を使って、県庁の仕事を休み、ボランティアという形ですれば、地方公務員法の副業の禁止には当たらずに出来る」
平川知事は続けた。
「つまり、こうすれば、騒ぎはおさまり、君は県庁を辞めずに済むんだ」
平川知事の説明に、渋谷課長は、どうにか落ち着きを取り戻した。
確かに、それでこの騒ぎがおさまって、県庁を辞めずに済むなら、やってみる価値はあるかもしれない、、。
「分かりました。その条件を呑みます」
渋谷課長は、決心した。
最初のコメントを投稿しよう!