【渋谷課長・仕事中】

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「話はついたが、君のワイドショー出演とファッション雑誌『COOL』の専属モデルが、条件だ」 「はああっ?!」 渋谷課長は、心の底から叫び声が出た。 「な、な、なんですか?! それ! 前より酷いじゃないですか!」 いつもクールな渋谷課長に似合わず、激しく憤った。 「まあ、落ち着いて聞きたまえ」 憤る渋谷課長に、平川知事は、なだめるように言った。 「ワイドショーの出演と言っても、一回切りだし、専属モデルも一ヶ月間だけの約束だ」 「え?」 「君がワイドショーに出て、インタビューを受ける。そして、君が、今の事情を説明し、以降、無闇に騒がないように視聴者に頼む。それから、『COOL』の方の一ヶ月間モデルをするというのは、たまっている有給を使って、県庁の仕事を休み、ボランティアという形ですれば、地方公務員法の副業の禁止には当たらずに出来る」 平川知事は続けた。 「つまり、こうすれば、騒ぎはおさまり、君は県庁を辞めずに済むんだ」 平川知事の説明に、渋谷課長は、どうにか落ち着きを取り戻した。 確かに、それでこの騒ぎがおさまって、県庁を辞めずに済むなら、やってみる価値はあるかもしれない、、。 「分かりました。その条件を呑みます」 渋谷課長は、決心した。
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