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波瑠は、鼻息荒く、県庁に向かった。
県庁には、北館と南館があり、知事室は、北館の三階にあった。
波瑠は、もと県庁職員だったので、かって知ったる場所だった。
しかし。
さすがに、知事室に入ったことはなかった。
波瑠の住んでいる県の知事は、全国的に有名だった。
史上最年少で、全国知事会の会長に就任し、その敏腕な手法で、県庁職員からならず、県民からも人気があった。
そして、とても、ユニークな人物で、ダジャレをよく言うくだけた知事としても、有名だった。
しかし、さすがに、くだけた知事とはいえ、直接会って、夫の仕事について直談判する、、というのは、いくら波瑠が世間知らずでも勇気がいった。
だが、なによりも愛する、旦那様の渋谷課長のためなのだ!
でも、冷静に話をしなければ、、。
波瑠は、知事室の前に来て、息を整えてから、大きくドアをノックした。
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