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ユンソルが遊び場に戻って来たのは、あれから2週間後だった。厩に行って、馬に餌をやる手伝いをしてから、遊び場にある切り株の椅子に座った。
近くに干し竿があって、ちょうど母が洗濯物を取り込んでいるところだった。切り株に置き去りにされたパチンコを手に取り、ユンソルは的めがけて撃った。放ったボールは、的を外れて厩のほうに飛んでいった。
ユンソルは的を外したのだ。
母はその様子を見てから、厩にボールを拾いに行った。それからユンソルのほうに行き、隣の切り株に腰掛けた。
「ユンソル。
お母さんはあなたのことをいつだって
誇りに思ってる。
このことは忘れないで。」
ユンソルは母を見つめ返し、それから的のほうを見た。何も答えなかった。
彼の手の中にボールを入れる。
「これはもう…いらない」
ユンソルがようやく口を開いたかと思うと、パチンコを草の上に放り投げた。
「ユンソル」
「僕はお母さんとお父さんを困らせたくない」
「………」
「僕に銃は持たせたくないよね」
ユンソルは泣きながら、母を見た。母は頭を振り否定しようとした。
「あれから
お母さんとお父さんの気持ちを考えたんだ。
二人は僕を心配している。
銃を持ったら、きっともっと心配になって…
毎日泣かせちゃうんだ。
そんなの、僕はヤダよ。」
「ユンソル…お母さんはあなたには
好きなことをやって欲しいと思ってる。」
母は彼の手を取りながら言ったが、ユンソルはその手を離した。
「僕は熊を撃ちたいんだ」
continue…
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