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白シャツの男はまた一歩下がると、シャツのボタンをはずし始めた。
「おい…アンタ…」
エンが驚いて声をかける。
男は続けてボタンを外し続けた。
やがてすべての前ボタンを外し終えると、シャツを捲り上げた胴体が顕になる。下腹部に縫い後があり、異様に腹が出ている。
「なんですか…あれ」
タジも唖然とした。
男はその縫い目に手をかけ、やぶき出した。血がだくだく流れ出し、グロテスクな光景に2人は目を伏せたくなる。
うめき声をあげた男は、出っ張った腹の正体を明かした。
「爆弾だ…」
エンが呟いた。
耳鳴りのような音を2人が探知した時、男の体から白い光の玉が膨れ上がった。
次には体が吹き飛ばされ、視界に映るものが急速に前進していく。体は後退し、その景色に酔いさえ覚えた。バルコニーから投げ出されて、2人は真下の草むらに落ちていった。
ジョンスとチョルヒはもぬけの殻になっている一階を捜索中に、二階の爆発音に気づいた。
「エン!タジ!」
2人は草むらに飛び出していく。
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