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爆発音を聞きつけてリーもまた、ガレージ前にやってきていた。足取りはのんびりしているが、いくらか憔悴している。
「隊長」
リーの後ろからトゥクとユンソルが走ってきた。
「爆発が」
ユンソルが言うと、リーは「うん」と頷いて建物を見上げた。
「二階に爆弾を仕掛けていたみたいだね」
リーがあまりに冷静すぎて、ユンソルは拍子抜けしてしまう。彼はユンソルとトゥクに手招きをする。2人は顔を見合わせて近づいた。
しかし、いきなり背中に手を回されあっという間にリーの後ろへ押しやられる。二人は見事につんのめって転んだ。振り返ると、リーはマクミランを構えて前方に注意していた。
迷いなく暗闇の方へ二発放つと、茂みの奥から発射光が見えた。しかし、リーの銃弾に倒れて、それ以降は撃ってこなかった。
「爆発音で集まったのは、
俺達だけじゃないみたいだね。」
リーがそう呟くと、茂みの中から次々と武装兵の姿が見えた。トゥクはM16A4を背中から前に構える。ユンソルもまた射撃体勢に入った。
「ユンソル。
死なないでね。」
戦場にしては穏やかな声でリーは言った。
continue…
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