targets 14 奇襲部隊

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ユンソルは再び体を起こして、茂みから見えている男の胸を狙った。トリガーを絞るたびに、周りの音が消える。ターゲットと二人の世界にいる錯覚がおきた。 (なんだこれ…) その光景になるたびに、ユンソルは不安に駆られた。 (誰かがそばにいないと俺は撃てないのか…? もうキムはいないんだぞ…! しっかりしろ…!) 「なんで撃たないんだろう」 リーはキョトンとした顔でユンソルを見やった。そのうち、リーを狙って銃弾が飛んでくる。トゥクに背中を引っ張られて、狙撃されずに済んだ。 「ユンソルを見ないで」 トゥクが警告すると、リーは肩をすくめた。 迷っているうちに、敵がユンソルに向けて発砲した。 「うわ…!」 上ずった声が出る。 後ろに尻もちをついて、弾を避けた。 「何やってんだ」 トゥクが彼のそばに来ていた。上体を起こされると、一気に恥ずかしさが込み上げてきた。 ユンソルはライフルをもう一度握りしめた。 「ユンソル。 利き腕じゃないんだ。大したものだぞ」 リーが励ますように叫んだが、ユンソルは歯を食いしばった。 (そんなの火に油を注ぐようなもんでしょ。 本当に無神経な時はとことんだな…) トゥクはリーを白い目で見た。
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