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ユンソルを狙った男はリーに狙撃された。残りの一人は後ずさって茂みの奥へと消えていった。
「追いますか?」
トゥクが聞くと、リーはいなくなった方向を見つめて「いや、その必要はない」と言った。すぐあとに銃声がした。
「今のって…」
「自決だ。
彼らは、死を持ってタリバンに貢献するんだ。
哀れな生き様だよ。」
侮辱しているのか憐れんでいるのか分からないが、リーはユンソルの方に歩いてきた。ひどい汗をかいている。それからリーの視線は、彼の右手に向けられた。ギブスが衝撃で外れていたが、右手が地面についていた。半身を支えたのは右腕だ。
「腕をあげてみな」
リーに言われて、ユンソルは右腕を恐る恐る上げた。また簡単に折れてしまうんじゃないかと怖いのだ。ところが、右腕はユンソルの耳を通り越して頭の上まで上がった。
「可動域は変わらないけど、痛みは?」
「ズキズキしてます」
「もうすぐ治るね。
骨はくっついたみたいだ。」
「はあ…」
「あと少しだよ、ユンソル。
あと少しの辛抱だからね。」
リーは慈愛に満ちた笑みと言葉で励まし、彼の頭を撫でた。
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