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すると茂みからガサゴソと音がして、三人は身構えた。ところが出てきたのは、討ち取った兵士を引きずってきたルオメンとホアンだった。
「自決じゃないみたいですね」
トゥクが冷めた声で言うと、リーはわざとらしく「あっれれー」とおちゃらけた。ルオメンとホアンは引きずってきた兵士を寝かせた。
「ルオメンさん。奴はどうなりました?」
トゥクが聞くと、二人は同時に肩をすくめた。
「逃げちゃったよ。
こっちが派手すぎて。」
ルオメンが焼けた建物を顎でしゃくる。そっちのほうでは、騒がしい声が聞こえる。
「危なかったんですけどね〜。
ルオメンさん、気づかれてたみたいで。」
ホアンが補足すると「うるせー」とルオメンがツッコんだ。
「ねぇ、何の話?」
リーがついていけないように、聞いてくる。
「バングラデシュで見かけた
スナイパーがいたんです。
アギト。
ほら、項に趣味の悪いタトゥーが入ってる…」
トゥクが説明すると、「ああ〜」とリーが頷いた。
「ええー。彼、生きてたんだね。
なんだか嬉しいな」
「なんで?」
引き気味にホアンが聞くと、リーは妖しく微笑んだ。
「だって、殺し甲斐のある奴がいるんだよ。
懸賞金も高いよね〜」
「この人に言うんじゃなかったな〜。
懸賞金はリーさんのモノになる。」
ルオメンは呆れながら、ホアンの肩を叩いた。
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