targets 14 奇襲部隊

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「俺の頭の中に天秤があるんだ。」 タジが続けて言った。ユンソルは圧倒されたまま、彼の話を聴き続けた。タジの言葉はスルスルとユンソルの中に侵入してくる。 「責任や重圧、痛みとか、そういったものを エンさんと俺で測る。 必ず均一になるようにしないと、 気が済まないんだ。」 ユンソルは瞬きをした。頭の中の天秤。無意識に、自分を重くしていた。軽くなったほうの気持ちを考えずに…。 (自分だけ責任をかぶればなんて、一人で気持ちよくなってどうする。) トゥクに言われたことがやっと分かった。 「そこが、俺と従兄弟の違いだと思う。 違うかな?」 タジが少しだけ口元を緩めた。その優しい顔がなんとも言えず、ユンソルの涙腺が緩んだ。この人は迷っているユンソルに、手を差し伸べたんだ。 「俺、腕が治りそうなんです。」 ユンソルがぽつりと言うと、タジは「ふーん、良かったね」と言った。 「はい。 だから、 カンダハルのあとは第三部隊に帰ります。」 タジは一瞬目を見開いたが、そのあとにため息をついて頷いた。 「それは良い考えだと思うよ。」 continue…
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