targets 15 鞄の中身

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「ユンソルのスポッターも、俺は良いと思うぜ」 ジョンスは石の上に腰掛けて、靴紐を結びながら言った。 「キムですか?」 「ああ」 当然のようにジョンスは頷いた。 「お前のことをよく観てる。」 「…………」 今まで感じたことがなかった。 ジョンスから見れば、キムはしきりにユンソルの様子を気にしていたという。 「心細いっていうのもあって、お前に頼っているのかもしれないけどさ。 頼られるって、俺達スナイパーにとってはエンジンみたいなもんだろ。」 頼られることに満足していてはいけない。ユンソルはそう自覚していたが、ジョンスのような柔軟な考えも良いのかもしれない。まるで悪意を感じない言葉だった。 (エンジン…か) 「まあ、頼られすぎても 故障するんだけどね」 「ジョンスさんも、故障するんですか?」 「ないよ。 程々に力を抜いてるからさ。」 ジョンスはニヤッと笑ってから、ユンソルの肩を掴んだ。 「お前はまだ緊張しているからな。仕方ないか」 「緊張しているように…見えますか?」 「見えるよ。 危ういな、そのままじゃ。」 不安そうな顔になったユンソルをからかって、ジョンスは「冗談だよ」と笑った。
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