targets 15 鞄の中身

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男はボストンバックのチャックをぎこちなく開けると、その中身が見えるように画面を向けた。 ユンソルは次の瞬間、息を呑んだ。 スコープはボストンバックの半開きになった口を映している。トゥクもまた、その隣で硬直していた。そこには人の頭が入っていたのだ。 ユンソルは一度目を瞑ったが、意を決してスコープを拡大する。そして照準を男の頭に合わせた。 「距離は700。風もなく、非常に撃ちやすい。 絶好の機会を殺しの神が与えてくださった。」 まるで読み聞かせるかのように、トゥクが穏やかな口調で告げる。ユンソルは生唾を飲み込むと、じわじわとトリガーを絞り始めた。 「待て」 その時、無線からリーの声がした。ユンソルは我に返る。 「………タリバンですよ」 ユンソルが反論したが、リーは許可を出さない。 「人の頭が入っているんですよ」 ユンソルは一呼吸おいて、言葉をつなぐ。
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