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「ユンソル。
お前が狙うのは、ソイツじゃない。」
リーの声に、ユンソルの指は自然とトリガーから離れた。それと反して肩の力が入り、全身が熱くなる。
「リーさん」
トゥクが催促するように、名前を呼ぶ。
男はバッグの中身を確認させたのか、携帯をとじる。ボストンバックの真横に腰をおろした。
「もうすぐ超玉が来る。」
リーが告げると同時にトゥクが「ユンソル、三時の方向」と言った。指定された方角にスコープごと向けると、三人の男が悠々と現れた。
一人の男を両隣ではさんでいる二人は、武装がわかる。警戒を解かずに、周囲に体とライフルごと向けている。彼らを指揮従えるかのように現れた男は、噴水池の男を歓迎するかのように両手を広げた。
男の頭から首にかけて巻かれたクーフィーヤが風に翻る。彼は目元まで覆い隠したクーフィーヤを顎までずり下げた。その時に見えた顔をユンソルは認めた。
「リー隊長。
超玉どころじゃないです。
こんなところで、お目にかかれるとは…」
トゥクも呆気にとられている。
その隣で、ユンソルは武者震いを覚えていた。
continue…
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