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トゥクがあっという間に、ユンソルの頭を窓の下に押し込めた。M40A3は硝煙を吐き出しながら、ユンソルの膝の上に横たわる。トゥクは正直、鳥肌が立っていた。
あのムハサを呆気なく撃ち殺した。
しかも、距離は1300mあったはずだ。
M40A3の最高射程距離は800m。それを500mも伸ばした。
よく見れば、レミントンはカスタムされている。バレルは以前より10cm長くなっている。落ちている排薬莢を手にして、ユンソルを観た。
「弾、変えたのか?」
「ええ。
あれから、試行錯誤を重ねてカスタムしました。
でも、カスタムに関してはド素人ですから。
めちゃくちゃでしょう」
ムハサの頭を突き破ったことも納得できる。トゥクの手の中にあったものは、50口径の銃弾であった。
「一発だけ貰ったんです。
射撃部隊のときに、ダン副隊長から貰いました。」
「なぜ?」
「恒例なんですよ。
新人に渡すんです。」
思い出して、ユンソルは笑えてきた。
「自害用です。」
そのあとに残酷に告げられた言葉に、トゥクは息を呑んだ。
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