targets 16 頭首

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「なんで、それを使ったんだ。」 ユンソルは虚ろな目でトゥクを見上げた。それから、瞬きをしてから、笑った。 「俺を殺すための銃弾なんて、 いらないからです。 俺は死にません。」 その目の輝きに、トゥクは圧倒された。生きることへの執着というより、生き抜くことの自信が、その瞳から溢れていた。 「トゥク、報告」 沈黙を遮るように、リーの声がした。その声は多少興奮している。リーにも、ユンソルのベストショットが見えていたはずだ。 「ムハサ クリア。 今、2名の兵士が反撃しています。」 報告をしている最中に、ユンソルが立ち上がって窓枠に乗りだした。 銃声が二発。 すぐにトゥクに引きずり降ろされて、ユンソルは屈んだ。 「バカ! 撃たれるぞ…!」 しかし、それ以降 銃声が途絶えた。無線の向こうで、リーが笑っている。トゥクはゆっくり体を起こして、双眼鏡を覗いた。 ユンソルは二人の兵士を一発ずつ使って、仕留めていた。死体が3つ並んでいて、鞄を運んだ男は慌てて退却していく。 ところが逃げ出した瞬間に、男の胸が貫かれた。現場の対角線上にいたエンが仕留めたようだ。あっという間にタジから「クリア」の声が入った。
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