7人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんで、それを使ったんだ。」
ユンソルは虚ろな目でトゥクを見上げた。それから、瞬きをしてから、笑った。
「俺を殺すための銃弾なんて、
いらないからです。
俺は死にません。」
その目の輝きに、トゥクは圧倒された。生きることへの執着というより、生き抜くことの自信が、その瞳から溢れていた。
「トゥク、報告」
沈黙を遮るように、リーの声がした。その声は多少興奮している。リーにも、ユンソルのベストショットが見えていたはずだ。
「ムハサ クリア。
今、2名の兵士が反撃しています。」
報告をしている最中に、ユンソルが立ち上がって窓枠に乗りだした。
銃声が二発。
すぐにトゥクに引きずり降ろされて、ユンソルは屈んだ。
「バカ!
撃たれるぞ…!」
しかし、それ以降 銃声が途絶えた。無線の向こうで、リーが笑っている。トゥクはゆっくり体を起こして、双眼鏡を覗いた。
ユンソルは二人の兵士を一発ずつ使って、仕留めていた。死体が3つ並んでいて、鞄を運んだ男は慌てて退却していく。
ところが逃げ出した瞬間に、男の胸が貫かれた。現場の対角線上にいたエンが仕留めたようだ。あっという間にタジから「クリア」の声が入った。
最初のコメントを投稿しよう!