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『あの子は才能がある』 『大人顔負けの腕だったよ』 『討伐隊になるべくして生まれたんだ』 今日までに言われた言葉が父の頭をもたげた。ユンソルがライフルに興味を抱いたきっかけは、明らかに自分である。討伐隊を抜け、銃から離れてしまえば、ユンソルは戻る。 「戻るって…何に戻るんだろう」 ひとりになった部屋でそう呟いていた。 あれからユンソルは的あてもやらなくなり、遊び場に近づかなくなった。母からの叱責が原因なのかわからないが、すっかり気力を失って、植物の図鑑を読んだりするようになった。 ユンソルの様子を両親はとても心配した。 母もまた、あそこまで怒る必要があったのか後悔している。あれが原因で、彼に精神的苦痛を与えてしまったような気がしてならない。 父はあの日から、ユンソルに気持ちを答えられていない。銃を持つなとは言えない。的あてを作ったのも、狩猟に彼を付き合わせたのも、心の何処かで跡を継いでほしいと思っていたのだ。 ユンソル以外の誰もが、 自分にまっすぐ向き合えないのだ。 子供が持つ純粋の恐ろしさは、こういったところから感じる。大人になった彼らが、その純粋さを手に入れることができなくなったように。ユンソルもまた、大人である彼らに純粋さを穢されていくのだ。それは可能性をも、踏み潰す。
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