たったひとつの灯り

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たったひとつの灯り

 一人の男性が、暗闇を歩いている 目的は思い出という名の灯りを、探す旅だ、どこまでも続く暗闇を、ひたすら 歩いていく、歩いていく、思い出とは 簡単には見つからないもの達だ  その男性の手には、木の棒着いている部分を、手に持つタイプの提灯がある、だいだい色の灯りで、とても綺麗な、 この暗闇にとても役に立つ代物だ、 思い出が見つかると強く明るくなるんだ  まだ探しても三個しか見つからない、 長い旅になりそうだ、この世界では、 食べ物を必要としないようで、かれこれ 何年も食べていない、寝ることもない、 これに少しは驚きはしたが、今は、  もう慣れた、慣れとは怖いものだ、 家族の記憶さえも消えている、今、 すべき事だけわかっているだけで、 それだけでいい、生きていける、 現世では、あれもこれも悩んでたのが、  嘘のようだ、延々に続気追われる仕事 食べられればいいと食べていた、栄養ゼリー達、美味しさなんかとうに忘れていった、生きていくために働いて食べてた ただ、それだけだ、つまらない人生だろ  いつの日か夢から覚めなくなって、 こんな夢のような場所にいた、でも、 暗くて、最初は怖かった、目が覚めてるはずなのに、暗闇が続いてて、ひとつの 提灯だけが俺にとっての灯りだった
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