後編

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火焔竜が(こと)切れると、チュチュの肩の上の翼竜の子が、その魂を(しず)めるように、ピィーッ……と高く一声を啼いた。 降る雨に血を洗い流されたアッシュの傷口に、チュチュが血止めの薬草を当てがい、包帯を巻く。 そうして亡き骸に手を合わせるチュチュに、アッシュも(なら)い合掌をすると、続く道先へと足を運んだ。 「ねぇ、アッシュ……」 「うん? なんだ」 「その……ピーちゃんが乗れるくらいに育つまで、アッシュも……チュチュといっしょに、いてくれるんだよね?」 ふと尋ねられ、「あっ……?」と、驚いたようにアッシュが声に出す。 「あっ、ああ……おまえさえ、良ければな……」 いつになく顔を赤らめて見えるアッシュに、 「よかった……」 チュチュも仄かに頬を染め、口にした。 降っていたにわか雨はいつしか上がると、広がる青空に遥か遠い山々の景色が映えて、二人と一匹を明るい未来へ導く、鮮やかな色彩の虹が架かった──。 終
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