前編

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さんざなぶりものにされ、痣だらけでうずくまるチュチュを放って、「時間の無駄だったな!」と、討伐パーティーらが罵倒をしつつ去って行く。 痛みに動くこともできないまま、やがて日が落ちていく中── 「なんだ、まだとどまっていたのか?」 耳馴染みのある声がして、チュチュは視線をさまよわせた。 すると、アッシュがこちらに歩いて来る姿が見えて、 「わぁーん……」 チュチュは泣きながら、その大きな体に飛びついた。 「なんだなんだ、どうしたんだよ? まさかもういねぇだろうなと思って、見回りに来たら……おまえ……」 そこまで話して、チュチュが傷だらけなことに、アッシュが気づく。 「どうした? また魔物が出たのか?」 無言でふるふるとチュチュが首を振る。 「だったら一体……って、これは……」 彼女の服に人の靴跡があるのを見つけ、アッシュが言葉を失う。 「人間のし技か、ひでぇことしやがる……」 よっぽど怖かったのか震えが止まらないチュチュの頭を、アッシュが大きな手で撫でてやると、涙のいっぱい溜まったつぶらな瞳が、つと上げられた。
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