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後編
平原を行き間もなく、手頃な大木の陰を見つけたアッシュが、
「今夜はここで休むか。夜に出歩くのは、あまり得策ではないからな」
そう言って、木の根元に座り込んだ。
「おまえも座れ。疲れただろう」
チュチュがおずおずと腰を下ろすと、アッシュは周りに落ちていた枯れ枝を集め、火打ち石で手早く火を点けた。
「飯は? 今朝獲ったうさぎ肉ならあるが、それでいいか?」
アッシュのぶら下げていた麻袋から、野うさぎの肉が取り出されると、チュチュは怯えて目を逸らした。
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