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「ごめんね、アッシュ……。役に立たないヒーラーで……」
泣きそうな顔になるチュチュへ、
「役に立たんなんてことはないだろ。現にこうして討伐ができたんだ」
アッシュは言い、痛みに顔を歪めつつ無理に笑って見せた。
折しも雨が降り出し、炎が吐けなくなったドラゴンの口から、黒い煙だけが上がり、辺りが暗く覆われていく。
「今のうちに首を切らないと、一帯が煙で覆われちまう」
「だったら、もう一度癒やしの魔法を……」
鱗の張り巡らされた首はとても固く、切るには相当の体力がいった。
チュチュが魔法で傷を治すと、アッシュは力強い一刀で、その首を落とした──。
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