後編

14/15

86人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「ごめんね、アッシュ……。役に立たないヒーラーで……」 泣きそうな顔になるチュチュへ、 「役に立たんなんてことはないだろ。現にこうして討伐ができたんだ」 アッシュは言い、痛みに顔を歪めつつ無理に笑って見せた。 折しも雨が降り出し、炎が吐けなくなったドラゴンの口から、黒い煙だけが上がり、辺りが暗く覆われていく。 「今のうちに首を切らないと、一帯が煙で覆われちまう」 「だったら、もう一度癒やしの魔法を……」 鱗の張り巡らされた首はとても固く、切るには相当の体力がいった。 チュチュが魔法で傷を治すと、アッシュは力強い一刀で、その首を落とした──。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加