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「そ、それはそうですが……でも、継続魔法は使えなくても、とっさの痛みを癒やすことぐらいは……」
「いや、いい」
チュチュの言葉が終わらない内に、アッシュが遮ると、
「おまえが異端であるように、俺も異端なんだ。そんな奴についてきても、しょうがないだろう」
そうボソリと口にした。
「……異端って? あなたも?」
パッと見は、とても逞しく力強い剣士に見えるのにと、チュチュが首を傾げる。
「ああ、俺はこの通り……片腕なんだ。左手一本の剣士なんぞ、誰もパーティーには雇ってくれない」
言いながらアッシュがマントを翻して、下に隠れていた右肩を露わにすると、その右手の肘から先が失われていた。
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