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No.01 夜と共に生きる姿の視えざる暗闇人
私の名はジョー。
夜の街の案内人である。
君はこの時間帯に来るのは初めてのようだな。
今日は夜の灯りがちょうどいいな。
ふむ。彼を紹介しても良さそうだな。
まず彼はこの夜の時間帯にしか見えない。
そう、そこに影がそうだろう?
一見人影のようだが彼は生きている。
もちろん影を踏めば痛がるし、ナイフでヒト突き刺せば死ぬからな。
おっとそこに彼がいるので足元どかしてくれないかな?
ありがとう。
彼も生きるために必死だ。
当然我々と同じような食べモノを好む。
そして、建物の影に踏み込まないように避けなければならないしな。
そうだな。他の影に入り込むとその影に混ざり込み溺れてしまうからだ。さらにうっかり昼の時間帯になると彼らは陽の明かりによって浄化してしまうから、夜の時間帯にしか生きられないのでそれまでには帰宅しなければならない。彼の住む場所は常に灯りがついており影がつく。
そして我々昼の住人と夜の住人が共通なのは好みも同じだ。そう、この街で開催されるサッカーやベースボールの試合だ。
一緒に贔屓するチームにも熱があるのは我々も同じだな。
そうだな。彼と誘って今度試合に観戦しないかな。
ふむ。待ってるぞ。
No.01 夜と共に生きる姿の視えざる暗闇人 完
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