No.07 器用貧乏なる彼は丁寧にイジり持て余す

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No.07 器用貧乏なる彼は丁寧にイジり持て余す

 よく来たな。  ここは我が街が誇る時計工場だな。  まぁ、小さな工場だが手作業で丁寧に組み立てている。  ほら、そこに彼がいるだろ?  そう、彼の姿はまんま異形な虫だが複数の腕を使って時計を組み立てているだろ?  まぁ、彼の場合は無駄な工程を組み立てているので他の人の作業は変わりないからな。  でも、彼なりに丁寧に作業してるから、文句はないさ。  無論、彼だけでなく夜の住人達もこの時間帯に働いてるし、昼の住人も少なからずいる。しかし、昼の住人達が夜の時間帯まで働くと夜の住人達の仕事がなくなるからな。まぁ、夜の住人達も昼の時間帯を働けることができれば文句はないがな。しかし、世の中は働き方改革を謳っているから、結構我々も助かっているからな。ははは、もちろんうちの工場はホワイト企業だぞ。君、失礼なことを考えてないかね? No.07 器用貧乏なる彼は丁寧にイジり持て余す 完
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