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5 祖父との再会
「おぉ、リーシャ! こんなに綺麗になって……わざわざこの老いぼれを訪ねに来るなんて、なんて優しい子だろう!」
「ご無沙汰しております、お祖父様。ご挨拶が滞っておりまして申し訳ありません」
――数日後。
ジェドの元を訪れたリーシャを、意外にも彼は大喜びで出迎えてくれた。
髪こそ真っ白に染まっているものの背筋はしゃんと伸びており、キラキラとした表情は精力に溢れてまだ若々しさを感じさせるジェド。
その顔には満面の笑みを浮かべ、孫娘に久々に再会できた喜びをあらわにしていた。
「なぁに、気にするでない。どうせ、あの分からず屋が儂には会うなとでも厳命していたんじゃろ。それでもこの儂に会おうと心を決めてくれたことが、嬉しいよ。大抵のお願い事なら叶えてやりたくなるくらいには、の」
そう言ってジェドはイタズラっぽく片目を瞑ってみせる。
リーシャの思惑を見透かしながらも、それを快く受け止める度量。祖父のそんな態度に、敵わないなぁとリーシャはこっそり息を吐いた。
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